- 「まだ先でいいかな」という方こそ、事前準備でトラブルを回避できます!
- 知っておきたい法改正のポイント(2020年7月~)
- これから贈与や引き継ぎをお考えの方へ
- ご実家や土地を相続される予定のある方へ
- 将来のトラブルを避けるために、今できる準備を
横浜市で不動産を相続された方、
または今後誰かに譲ろうとお考えの方へ
不動産相続は「発生してから考えるもの」と思われがちですが、実は生前から準備しておくことで、トラブル・費用(税金)負担を大きく減らすことができます。
このページでは、相続する側・される側の双方に役立つ基礎知識や、不動産に特化した生前対策のポイントをまとめています。将来に備え、ぜひ一度目を通しておくことをおすすめします。
「まだ先でいいかな」という方こそ、事前準備でトラブルを回避できます!
相続について「まだ早い」と感じる方も多いかもしれませんが、準備には“早すぎる”ということはありません。
いざという時に慌てたり、思わぬトラブルを防ぐためにも、生前のうちから対策をしておくことが何より大切です。
こちらでは、相続前にできる代表的な生前対策について、わかりやすく整理してご紹介します。
生前にできる!準備と対策で円滑な相続を
不動産を含む相続では、「引き継ぐ人」「残す人」それぞれにとって、事前の備えが重要になります。
生前に行う主な対策は、大きく次の4つに分けられます。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
対策の種類 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
遺産分割対策 | 遺言書作成や財産の整理 | 相続人同士のトラブル回避 |
節税対策 | 贈与や資産の組み替え | 相続税の負担を軽くする |
納税対策 | 納税資金の準備や保険活用 | 相続税の支払いに備える |
認知症対策 | 家族信託や任意後見制度の活用 | 判断能力が低下した場合のリスク管理 |
たとえば、「遺言書を作っておくだけで家族が揉めずに済んだ」「保険で納税資金を確保できた」など、実際のご相談でも、生前の準備が大きな効果を発揮しています。
このあとの章では、これら4つの対策について、それぞれ詳しくご紹介していきます。
「どれから始めたらいいのかわからない」という方も、ご自身の状況に合わせてチェックしてみてください。
実は不動産のトラブルが一番多い!
相続トラブルの多くは「財産の分け方」が原因で起こります。特に不動産のように金額が大きく、現金のように簡単に分けられない財産では、相続人同士の話し合いがまとまらず、感情的な対立に発展してしまうケースも少なくありません。
こうした事態を未然に防ぐために有効なのが、「遺産分割対策」です。なかでも最も基本かつ重要な方法が、「遺言書の作成」です。
遺言書を残すメリットとその効果
- 自分の意思を相続に反映できる
- 相続人同士のトラブルを防げる
- 特定の人に優先して財産を渡せる
- 相続手続きをスムーズに進められる
相続では、法律に沿って財産が分けられますが、遺言書があれば被相続人の意思が最優先されます。
「長年介護や面倒を見てくれた人に多めに渡したい」「実家は長男に残したい」といった希望があっても、遺言書がなければ実現できないこともあります。
また、遺言書があることで「誰が何を相続するか」が明確になり、遺産分割協議の必要がなくなるため、家族間のトラブルや感情的な対立も避けやすくなります。
さらに、遺言執行者(※相続手続きを進める代表者)を指定しておけば、不動産の名義変更や金融機関での手続きもスムーズに進めることができます。相続が円滑に進むことで、遺された家族の負担も大きく軽減されます。
遺言書を特に残しておいた方がいいケース
- 相続人同士の関係が良好でない
- 子どもがいない、または再婚など家族構成が複雑
- 相続人以外(孫・内縁の配偶者など)にも財産を渡したい
- 不動産が主な財産で、分けにくい
- 相続人の人数が多い
たとえば、相続人同士の関係性が悪かったり、疎遠だったりする場合は、ちょっとした不平等感から感情的な対立に発展することも珍しくありません。
また、夫婦に子どもがいない場合や再婚家庭では、法定相続人の範囲がやや複雑になるため、明確に意思を残しておくことが重要です。
さらに、「内縁の妻に住んでいる家を残したい」「孫に学費の足しとして少し渡したい」といったケースでは、法律上の相続権がないため、遺言書がなければ実現できません。
不動産のように分けにくい財産を含む場合や、相続人の人数が多くなるほど、分配でもめる可能性は高まります。
そうした場合にも、遺言書があることで分割方法に明確な指針ができ、協議を避けることができます。
知っておきたい法改正のポイント(2020年7月~)
2020年7月10日から、自筆証書遺言の保管制度がスタートしました。法務局に預けることができるようになり、紛失や偽造のリスクが減るほか、家庭裁判所での「検認」も不要になりました。
これにより、自筆証書遺言がこれまで以上に活用しやすくなったといえます。
節税対策でできること
相続税は、不動産の評価額や相続人の人数によって金額が大きく変わるため、「思っていたより高額だった」と驚かれる方も少なくありません。
生前のうちから節税対策をしておくことで、将来の税負担を軽減し、相続人の負担を大きく減らすことができます。
節税対策で代表的な3つの方法
- 【方法1】贈与を活用する
- 【方法2】不動産の活用や組み替えを検討する
- 【方法3】特例制度を活用する
【方法1】贈与を活用する
年間110万円までの「暦年贈与」など、少しずつ贈与していくことで、財産を相続財産から減らすことができます。
たとえば、お子様やお孫様に数年かけて贈与することで、非課税枠を有効活用でき、節税につながります。
また、2024年以降は贈与と相続の課税ルールが一部見直されているため、「どのタイミングで贈与するか」も重要になっています。
【方法2】不動産の活用や組み替えを検討する
自宅や土地を貸す・建てる・売るといった活用方法によって、不動産の評価額を下げられるケースもあります。
たとえば、賃貸物件として活用している土地は「貸家建付地」として評価が下がるため、その分、相続税の課税対象額が抑えられる可能性があります。
また、老朽化した土地を売却して、現金や別の資産に組み替えることで、相続しやすくなるケースもあります。
【方法3】特例制度を活用する
一定の条件を満たすと、「小規模宅地等の特例」などを適用でき、土地の評価額が最大80%減額されるケースもあります。
たとえば、「被相続人が住んでいた自宅に、相続人がそのまま住み続ける場合」などは、特例の適用が可能になることがあります。
これらの制度は条件が細かいため、専門家に一度シミュレーションしてもらうのが安心です。
節税対策は、「早く・少しずつ・計画的に」進めることが最大のポイントです。
「今のうちに贈与を始めたほうがいい?」「土地の評価額ってどうやって決まるの?」という疑問がある方は、無理にすべてを自分で判断せず、ぜひ一度弊社代表へご相談ください。
納税対策でできること
相続税は、「払えるかどうか」が問題になることがあります。
たとえば「土地はあるけど現金がない」というケースでは、相続税が発生しても納税資金が手元にないという状況が起こりがちです。
このような「納税資金不足」を防ぐための準備が、納税対策です。
相続税は原則として、現金で一括納付(納税)する必要があります。納付期限は「相続開始から10か月以内」。この期限内に用意ができなければ、延滞税や加算税がかかることもあります。
納税対策で検討すべき主な方法
- 【方法1】相続税額の目安を事前に試算する
- 【方法2】現金や預貯金を残す(換金しやすい財産を持っておく)
- 【方法3】生命保険を活用して納税資金を確保する
- 【方法4】延納・物納制度の利用も検討しておく
【方法1】相続税額の目安を事前に試算する
まずは、「相続税がかかるかどうか」、かかる場合は「どのくらいの金額か」を早めに把握しておくことが重要です。
相続税には「基礎控除」という非課税枠があり、
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数
までの財産には税金がかかりません。
たとえば、相続人が2人の場合は「4,200万円」が基礎控除となります。これを超える財産があるかどうかが、課税の判断ラインになります。
【方法2】現金・預貯金の確保や資産の整理
不動産だけを残すのではなく、「相続税の支払いに使える現金や預貯金」もある程度残しておくと安心です。
換金に時間がかかる土地や建物ばかりでは、相続人が急な納税に困ってしまいます。
場合によっては、不動産の一部を売却して現金化したり、あらかじめ資産を整理・組み替えることも有効です。
【方法3】生命保険の活用も効果的
生前に生命保険に加入しておくことで、受取人(=相続人)が受け取った保険金をそのまま納税資金にあてることができます。
生命保険の「死亡保険金」には、法定相続人1人あたり500万円まで非課税になる制度があるため、節税と納税対策の両面でメリットがあります。
【方法4】延納・物納という制度もある
もし現金で払えない場合には、分割払いにできる「延納(えんのう)」や、土地などの現物で支払う「物納(ぶつのう)」という制度もあります。
ただし、これらは税務署の審査を受ける必要があり、手続きが複雑で審査基準も厳しいため、早めの準備と相談が不可欠です。
納税対策は、「相続税がかかるかも?」と思った時点で始めるのが理想です。
弊社代表は、税理士などの士業とも連携し、財産状況に合わせた納税資金の準備・組み立てサポートも可能です。
「うちは不動産が多いから不安…」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
認知症になってからでは”遅い”
相続対策というと「亡くなった後」のことばかりを考えがちですが、実は「亡くなる前」、特に判断能力が低下したときの備えもとても大切です。
高齢化が進む今、認知症や病気などによって判断能力が失われるケースが増えており、意思表示ができない状態になると、相続対策が一切進められなくなる可能性もあるのです。
認知症の場合、不動産の売却や名義変更ができなくなるリスクが高まる
たとえば、高齢の方が不動産を持っていたとしても、認知症と診断されてしまうと、その方自身では不動産の売却・贈与・名義変更などができなくなります。
そうなると、家族が「相続税対策として今のうちに売却したい」「施設入居にあわせて資産を整理したい」と考えても、手が出せずに行き詰まってしまうのです。
こうした事態を避けるためにも、元気なうちに「判断能力を失った場合に備えた契約や仕組み」を用意しておくことが重要です。
代表的な2つの認知症対策
- 家族信託(かぞくしんたく)
- 任意後見制度(にんいこうけんせいど)
家族信託とは?
「家族信託」とは、財産を持っている方(=委託者)が、あらかじめ信頼できる家族(=受託者)に、財産の管理や処分(たとえば売却)を任せる契約です。
認知症などで判断能力を失った場合でも、受託者がその財産を「本人の代わりに管理・活用」できるようになります。
たとえば、ご高齢の親が元気なうちに「この不動産の管理を息子に任せる」と決めておけば、将来の売却や資産活用もスムーズに進めることができます。
任意後見制度とは?
「任意後見制度」とは、自分の判断能力があるうちに「この人にサポートしてほしい」と後見人(こうけんにん)を選び、将来、判断能力が低下したときに財産の管理や手続きの代行をお願いできる仕組みです。
正式に契約し、家庭裁判所を通じて発効させる必要があるためやや手間はかかりますが、制度としての信頼性が高く、万一の時も安心して任せることができます。
家族信託と任意後見制度、どちらを選ぶべき?
- より柔軟に「相続税対策」や「売却の判断」などを含めて動きたい場合は、家族信託が向いています。
- 財産の保護や、使い込み防止など法律的な監視が必要な場合は、任意後見のほうが適しています
どちらが適しているかは、家族構成・財産の種類・想定している対応内容によって異なります。
まずは「判断能力がなくなったときに困ることって何だろう?」という視点で考えてみるのがおすすめです。
弊社代表は、こうした事前準備に関するお悩みにも対応可能です。士業との連携により、不動産と法律の両面から最適な対策をご提案いたします。
これから贈与や引き継ぎをお考えの方へ
ご自身が元気なうちに、財産をどう残すかを考えることは、ご家族への何よりの思いやりです。
ただし、不動産を含む相続には、「税金」「評価額」「分け方」の3つが大きく関わります。
まず「相続税」は、相続財産の合計額が一定の基準(=基礎控除)を超えた場合にかかります。
特に不動産は評価額が高くなりがちなため、「家1つでも課税対象になることがある」と理解しておくことが大切です。
評価額は、固定資産税評価や路線価などで算出され、実際の売却価格とは異なる点に注意が必要です。
また、1つの不動産を複数人で相続する場合、「分けにくさ」からトラブルが起こることもあります。たとえば、遺言書であらかじめ誰に何を渡すかを明記しておけば、家族の話し合いがスムーズに進みます。
「長男に家を、次男に現金を」といったバランスも、生前であれば調整しやすくなります。
贈与や相続について深く考えるのは勇気がいりますが、備えておくことで、家族が安心して暮らせる道筋を残すことができます。
まずは「何を、誰に、どのように残したいか」という視点から、できる範囲で整理してみましょう。
ご実家や土地を相続される予定のある方へ
「将来、実家や土地を相続することになりそうだけれど、正直よくわからない」
そのような状況のまま時間が過ぎてしまう方も少なくありません。
相続は事前にある程度の知識を持っておくことで、手続きの負担や家族間のトラブルを大幅に減らすことができます。
たとえば、ご実家がある場合は以下のような点を知っておくと安心です。
- 相続登記は2024年から義務化され、原則3年以内の申請が必要です相続登記とは、不動産の名義を相続人へ変更する手続きで、これをしないと売却や活用ができません。
- 不動産は「現金のように均等に分けられない」ため、事前の話し合いが重要です誰が住むか、売却するか、共有にするかなど、分け方を明確にしておかないと、後々揉める原因になります。
- 老朽化・空き家リスクを含めた管理方針を考えておく必要があります放置された不動産は、固定資産税の増額、倒壊リスク、近隣への影響といった問題にもつながります。
相続は「起きてから考える」のではなく、「起きる前に知っておく」ことで、大きく変わります。
どのような選択肢があるのか、どんなサポートが受けられるのか――今のうちから備えておくことで、ご自身もご家族も安心して迎えられるはずです。
不動産を相続したあとの具体的な流れや手続きについては、こちらにて詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
将来のトラブルを避けるために、今できる準備を
相続は、事前の準備によって家族の負担を大きく減らすことができます。
遺言や贈与、納税資金の確保、認知症への備えなど、「まだ先」と思っていても、早めに動くことでできる対策はたくさんあります。
LikeStyle(ライクスタイル)では、横浜市の不動産に強い専門スタッフが、状況に合わせた生前対策を丁寧にご案内しています。まずはお気軽にご相談ください。