境界未確定の不動産を相続・売却するときに知っておくべき注意点と対処法|横浜市の不動産社長が本音で語ります
「この土地、境界がよくわからないんですが…」
はじめに|「境界問題」で不動産が“止まっている”人が増えています
こんにちは。横浜市を拠点に、不動産の相続と訳アリ物件の売却を専門に行っている不動産会社の代表です。
今回は「境界があいまいな土地」のお話です。
「親から土地を相続したけど、どこまでがうちの敷地か分からない…」
「測量図が古くて、隣との境目がズレてる気がして…」
「売却したいのに、不動産会社から“まずは測量から”と言われて進めない」
このように「境界未確定」の物件は、実はかなり多いんです。
特に古い住宅街では、当たり前のように“境界杭”がなかったり、昔の口約束のままになっていたりするケースも。
でも、こうした物件も、正しい対処をすればきちんと売却できます。
今日は、実際に現場で境界未確定の土地売却を何件も扱ってきた私が、
● 境界が未確定だと何が問題なのか
● 売却するにはどんな対応が必要か
● 無理に測量しなくても売れるケースがあるか
などを、わかりやすく解説します。
境界未確定とは?まずは基本を整理しましょう
そもそも“境界”とは?
土地には、法的な「筆界(ひっかい)」と、実務で使われる「所有権界」の2種類の境界があります。
- 筆界:登記簿上の区画のこと(法務局で確認できる)
- 所有権界:実際に誰が使っているか、境界標やフェンスで判断されることが多い
“境界未確定”とは、以下のような状態を指します
- 隣地との境目が曖昧(境界杭がない)
- 測量図が古く、現況と一致していない
- 越境(またがっている建物・塀・植栽など)がある
- 隣地所有者との合意がとれていない
社長の本音①:「目に見える境界があっても、“合意”がないと未確定扱いになります」
横浜市で実際にあった「境界未確定」物件の売却事例
① 測量図ナシ・境界杭ナシでも買取売却に成功
金沢区の築40年超戸建て。隣地との境が曖昧だったが、
現況有姿・契約不適合免責付きで買取業者が1,450万円で現金購入。
② 境界越境していた塀をそのまま売却条件に明記
磯子区の相続土地。ブロック塀が隣地に20cm越境していたが、
売買契約書で越境を明記し“現況容認”とすることで、一般売却を実現。
③ 測量+境界確定で価格アップ→一般売却成功
港北区の住宅地。土地面積の不明瞭さで買主が不安視。
確定測量を実施し、境界標を設置。公簿面積より5㎡増となり、価格も100万円アップで売却成功。
境界未確定でも売却できる3つの方法
① 「現況有姿」で訳アリ買取業者に売却する
測量や交渉をせず、“今の状態のままで買い取ります”という業者に売る方法です。
メリット:
- 費用・手間なしで即売却可能(最短7日)
- 境界トラブルや越境を前提に買い取ってくれる
- 相続登記や古家付きでも対応可能
デメリット:
- 通常の市場価格より2〜3割安くなることも
② 測量・境界確定をしてから一般売却する
土地価格が高いエリアや、一般購入者向けに売りたい場合は、
しっかりと測量して“売りやすい状態”にするのが有効です。
- 境界確定測量(40万〜80万円前後)
- 隣地所有者との立会・合意書作成
- 越境解消や覚書取り交わし
ポイントは“費用対効果”の見極めです。
③ “簡易測量”+書面整備だけで売却できるケースも
すべてのケースで「確定測量」が必要なわけではありません。
- 簡易測量(既存図面と現況の差分確認)
- 実測面積の明記と誤差了承の書類
- 越境を前提にした“覚書”付き売買
→ 状況次第では、これで十分に売却が可能です。
売却時の注意点|“境界があいまいな土地”を扱うときの落とし穴
① 買主が住宅ローンを組めないことがある
境界が未確定だと、金融機関の融資審査で「担保評価が不明確」とされ、ローンが下りないケースもあります。
→ 投資家・現金購入層をターゲットに含めるのが得策です。
② 越境問題は“後出し”するとトラブルになりやすい
- ブロック塀
- 庭木・カーポート
- 排水管・基礎部分
これらが隣地に越境している場合、売却前に「説明」と「書面」が必要です。
③ 測量しても「境界が確定しない」ことがある
隣地所有者が不在・同意が得られないなどの理由で、測量しても合意に至らないケースも。
→ その場合でも“立会い拒否記録”を残すことで、売却可能な場合があります。
よくある質問(FAQ)
Q:隣地との境界がわかりません。測量って必須?
→ 状況によります。買取や現況売却なら測量ナシでもOKなことも。
Q:測量費用は誰が負担しますか?
→ 売主が負担するのが一般的ですが、買取業者が負担するケースもあります。
Q:登記と現況で面積が違います。売れますか?
→ 売れます。誤差の範囲や説明資料があれば取引可能です。
Q:境界が曖昧なまま相続して大丈夫?
→ 相続自体は可能です。問題は「その後売れるかどうか」で、放置はリスクになります。
まとめ|境界があいまいでも、売却はできます。“正しい伝え方”がカギ
境界未確定というだけで「売れない」と判断してしまうのは、非常にもったいないことです。
社長の本音②:「“不明”が一番買主を不安にさせる。逆に言えば、“説明できる状態”にさえすれば売れる。」
測量・確定・書面…不安なことも多いと思います。
でも、それを代わりにやるのが、私たち不動産のプロの仕事です。
横浜市で境界に不安がある土地を相続した方、ぜひ一度ご相談ください。
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執筆:LikeStyle株式会社
代表 鈴木 悟史




